Tesla, 2023年6月中国販売台数 93,680台 YoY+18.7%

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  • 中国汽車工業協会は2023年6月の乗用車販売/生産台数を発表。Teslaの月生産台数は93,680台。Teslaの6月生産台数は前年同月比で+18.7%だった。
  • 内訳は、Model Yが63,043台、Model 3が30,637台だった。

中国汽車工業協会6月月報より抜粋

小売:2023年6月の乗用車小売台数は前年同月比2.6%減の189.4万台となった。1-6月の累計は前年同期比2.7%増の952.4万台となった。

6月のローカルブランド小売は前年同月比14%増の93万台。国内小売市場でのシェアは前年同月から6.7ポイント上昇し49.3%となった。国内卸売市場でのシェアは53.7%で、前年同月から8.6ポイント上昇した。

6月の大手合弁ブランドの小売は前年同月比19%減の66万台となった。独系ブランドのシェアは前年同月に対し1.6ポイント低下し21.1%となった。日系ブランドのシェアは3.7ポイント低下し17.8%となった。米国系ブランドのシェアは0.9ポイント低下し9.2%となった。

卸売:6月の卸売は前年同月比2.1%増の223.6万台となった。うち、ローカルブランドの卸売は前年同月比21%増の120万台。大手合弁ブランドは21%減の70万台。高級車卸売は2%増の33万台。

生産:6月の乗用車生産は前年同月比0.5%減の219.5万台となった。そのうち、高級ブランドは1%減、合弁ブランドは23%減、ローカルブランドは21%増となった。

新エネルギー車:6月の新エネルギー乗用車卸売は76.1万台、前年同月比33.4%増となった。そのうち、電気自動車(EV)は17%増の52.8万台。プラグインハイブリッド車(PHV)は95.7%増の23.3万台。ハイブリッド車(HV)は7万1,830台で20%減となった。

6月のEV卸売は、A00セグメント(微型、ホイールベース2.0-2.2m)が前年同月比30%減の8.2万台で、EVにおけるシェアは前年同月から10ポイント低下し16%となった。A0セグメント(小型、ホイールベース2.2-2.3m)は16.1万台で、シェアは前年同月から12ポイント上昇し30%となった。Aセグメント(コンパクト型、ホイールベース2.30-2.45m)は10.7万台でEVの20%を占めた。Bセグメント(中型、ホイールベース2.45-2.60m)は前年同月比19%増の16.4万台でEVの31%を占めた。

6月の卸売販売が2万台を超えたモデルは次の16モデル(昨年は20モデル)だった。Tesla「Model Y」が6万3,043台、BYD「秦」が4万4,239台、BYD「宋」が4万2,388台、「シルフィ(軒逸)」が3万8,830台、BYD「元」が3万3,935台、BYD「ドルフィン(海豚)」が3万1,140台、Tesla「Model 3」が3万637台、「ラヴィダ(朗逸)」が2万8,841台、「カムリ(凱美瑞)」が2万5,898台、「サジター(速騰)」が2万4,496台、長安「CS75」が2万4,356台、BYD「漢」が2万3,206台、「シーガル(海鴎)」が2万3,005台、「AION S」が2万2,487台、「博越」が2万1,564台、「マゴタン(邁騰)」が2万920台、「Eado(逸動)」が2万664台、「AION Y」が2万583台。乗用車販売の中で新エネルギー車(NEV)が上位3モデルを占めている。

6月の新エネルギー車輸出は前年同月比185.3%増の7.0万台。電気自動車は89%を占めた。A0+A00セグメントEVは新エネルギー車の56%を占めた。うち、A0セグメントのEVが占める割合は非常に高く、輸出の主力となっている。メーカー別の輸出台数は次の通り:上汽乗用車2万645台、Tesla中国1万9,468台、BYD 1万536台、東風易捷4,472台、上汽GM五菱2,933台、智馬達汽車2,121台、長城汽車1,972台、吉利汽車1,670台、奇瑞汽車1,208台、哪吒汽車1,201台、東風小康1,142台。上汽などローカルブランドは欧州に強く、BYDなどは東南アジア向けが増えている。

新興メーカーの6月の小売シェアは3.9ポイント下がり12.8%となった。理想、蔚来、零跑などは前年同月比、前月比とも伸びた。

大手合弁ブランドではVWブランドの新エネルギー車卸売が1万8,174台で、大手合弁ブランドのEV販売の58%強を占めた。

 

6月の分析と7月の展望
2023年1-6月は前月比でプラス成長を継続しているが、これは今世紀に入って初の勢いである。上半期は早めに到来した春節、3月の激しい値下げ合戦、一部の消費者による国6bの販売プロモーション待ち、大量の新型モデルと低価格モデルの発売、「618」商戦、工業情報化部、商務部による新エネルギー車の農村への普及政策など国の自動車産業関連の政策やガイドラインの頻出、加えて各地のモーターショーや消費クーポンの発給などの販売促進活動、比較対象の前年同期が低い水準であったことなど様々な要因により6月中下旬に自動車市場は爆発的な成長を維持した。

7月の稼働日は前年並みの21日。一部の企業は内燃エンジン車の生産能力に余裕があり、比較的長い高温休暇をとるため、自動車市場は休止・調整期間に入る。7月は猛暑が日中の来店客の流れに影響を及ぼすかもしれない。2022年6月1日実施の自動車購置税の半減政策などの要因により昨年7月は販売が好調だったため、本年7月がマイナス成長となったとしても、それは正常な現象といえる。

また、2023年1-5月の中国ローカルブランド車の輸出先での小売が前年同期比47%増となった。うち、5月は前年同月比61%増となり、強い増加傾向を維持した。最近の人民元の為替レートの推移は輸出に優位なものとなっているため、中国の乗用車の輸出は7月も好調を維持するだろう。

中国新エネルギー車の累計生産台数は2,000万台を超え、新エネルギー車は中国の経済成長の新たな原動力となっている。しかし、新エネルギー車市場販売の内容をみると依然として「乗用車と商用車の発展のアンバランス、各地市場での浸透率に改善の余地がある、上流である原材料の不安定さ、材料体系や製造プロセスの再検討、エネルギー補給インフラ建設」などの課題が存在している。また、6月に財政部など3部門が発表した新エネルギー車の車両購置税の減免政策延長の公告や炭酸リチウム価格の大幅な下落は新エネルギー車市場に長期的な利をもたらすとCPCAは見ている。

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