Teslaは今回中国での大幅な値下げに続き、欧州と米国でも追随。
米国で大幅な値下げが行われ、Model YとModel Y Performanceがなんと$13,000も安くなった(現在はそれぞれ$52,990、$56,990)。ベーシックなModel 3は$3,000安くなり$43,990、Model 3 Performanceは$9,000安くなり、現在は$53,990となっている。つまり、Model Yは20%の値引き。
また、米国ではluxury classの価格も調整された。Model Sは$94,900と再び5桁台からスタートし、Model S Plaidはなんと$21,000も値下げされ、コンフィギュレーターでは$114,990と表示されている。Model Xについては、それぞれ$109,990、$119,990と価格調整は似ているが、こちらはBase modelとPlaidの差がModel Sより小さくなっている。
少なくともModel Yについては、米国での値下げは政治的な背景があると見られる。当局がこのModel をSUVではなく乗用車に分類したため、EV税額控除の上限価格である$55,000がModel Yに適用され、5人乗りModel Yが再びこの補助金の対象となる。
一方、欧州ではオプション装備のないModel 3(旧SR+)は、Teslaのコンフィギュレーターで€43,990から。表示価格からはenvironmental bonusのメーカー負担分がすでに差し引かれており、処理手数料が追加加算される。€9,100の最大の値下げはModel Y RWDで、Tesla Configuratorでは現在 €44,890である。処理手数料を加え、environmental bonusの連邦負担分を差し引くと、60kWhのRWD Model Yは €41,370となる。
特にModel Yでは、Base modelとLong rangeの差が大幅に拡大し、以前は€3,000程度に過ぎなかったのが、今回の価格調整後は€10,100に大幅拡大。Model 3でも同様にその差は€10,000になる。
需要減退か、最適化されたコストの転嫁か?
この新しい価格体系の根拠は詳しくは分かっておらずさまざまな見解がある。たとえば一部顧客によると、すでに長い間納車を待っていたModel Yの顧客が代わりにすぐに購入できるBase modelをTeslaから提案されたと報告されており、これはLFPバッテリー搭載のModel Yの需要が低いためと解釈される。しかし大幅な値下げをすれば今度は需要が高まる可能性が考えられる。
Teslaは声明の中で、「生産とサプライチェーンの地域化によって、将来の成長のための土台作りを成功させ続けてきた」と書いている。「独自の設計と製造プロセスによる継続的な製品改良に注力することで、業界トップクラスのコストで最高の製品を生産する能力をさらに最適化した」とTeslaは述べている。しかし、Base modelの設計変更については今のところ何もわかっていない。少なくとも、生産と物流を$9,000安くするようなものはない。Teslaはさらに最適化されたコストにより、「コスト上昇の一部を正常化することができた」と述べている。これを自社の顧客に転嫁し負担を軽減してきた。
最近旧価格で注文したもののまだ車両が届いていない顧客に対して、Teslaが欧州と米国で譲歩するかどうかは未知数。中国では直近の価格下方修正で顧客から抗議の声が上がった。
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