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Tesla,クルマの安全性に関する取り組み「Impact Report 2021 」

Photo: "Courtesy of Tesla, Inc."

5月6日、Teslaは総数144ページに渡る「Impact Report 2021 」を公開しました。内容は、Teslaが解決しようとするミションとゴール、実現するためのロードマップ、コーポレートガバナンス、人材に対する取り組みや考え方、製品の製造に使われるエネルギーや水といった環境、顧客や従業員の安全性等、多岐のテーマに渡ります。

前回は「人材」のテーマに対するTeslaの取り組みや考え方について取り上げた訳ですが、今回は車の安全設計に対する取り組みについてレポートの中から抜粋したいと思います。以下、全文訳になります(約5800文字)。では張り切ってどうぞ。

 

参考:人材に対する取り組みはこちら

 


安全性、私たちの設計の最優先事項

Teslaでは安全機能はオプションではありません。Teslaの安全装備はすべての車両に標準装備されています。私たちがクルマを設計するとき、何よりもまず安全であることを望みます。このImpact Reportでは、車両の安全性に関する私たちの主な取り組みについて詳しくご紹介します。

 

 

 

Safety Score β - お客さまの安全運転に貢献

Teslaは現実の世界で最高レベルの安全性を備えたクルマを設計・製造することに加え、お客様の安全運転を支援する方法にも取り組んでいます。Tesla保険プログラムでは、お客様にリアルタイムでフィードバックを提供し月々の保険料の引き下げなど、安全運転のためのインセンティブを提供、実現しています。

このプログラムに参加することを選択したお客様には、Safety Score βが付与されます。このスコアは運転行動によって変化し、保険料もそれに伴って変化します。性別、年齢、学歴、配偶者の有無などの属性情報やクレジットスコアなどの金融履歴から保険料を決定するのではなく、実際のドライバーの行動に基づいてSafety Score βを算出するアルゴリズムです。私たちがモニターしている行動とは

- 前方衝突警告
- 急ブレーキ
- 強引な旋回
- 安全でない追従(テールゲーティング) 
- オートパイロットの強制的な解除 

当社のデータでは、Safety Score βを有効にしたお客様のコホートでは、衝突事故の発生率が低いことが示されています。また車両のSafety Score βが増加すると、1マイルあたりの衝突事故件数が減少し保険料が減少します。

 

 

 

2016年10月以降に製造されたすべてのTesla車に、自動緊急ブレーキ、車線逸脱警告、前方および側方衝突警告、障害物対応加速、死角警告などの高度な安全機能を可能にする外部カメラ、追加センサー、オンボードコンピューティングが搭載されており、そのすべてがソフトウェアアップデートにより長期的に改善され続けるのは、当社の安全に対するコミットメントがあるからです。最近では常識を超えたアクティブセーフティ機能を導入しています。

 

信号機・一時停止表示
赤信号や一時停止の標識にドライバーが気づかない場合、クルマはそのスピードが速すぎることに気づきます。8つのカメラを搭載し、走行軌跡に応じた信号機や一時停止標識を認識。大音量で警告を発し、ドライバーに注意を促します。

 

ペダル誤操作緩和(不用意にアクセルを踏んでしまうこと)
駐車場に入るときなど、ブレーキを踏むべき場面でアクセルを踏んでしまうことは、どのクルマでもよくあることです。しかしTeslaではカメラで前方の物体を認識すると、「ペダル誤操作低減システム」が電気モーターのトルクをカットし、アクセルを強く踏み込んだ場合の衝突を防止します。この技術により、毎月数百件の衝突を防止・軽減しています。

 

車線逸脱や出会い頭の衝突を積極的に回避する
死角にいるクルマが車線に進入しているときにドライバーが車線変更した場合、または自車両が車線を逸脱した場合、警告音を発しステアリングを操作して衝突を回避します。

 

アクティブセーフティシステムは、どれも同じというわけではない

多くの人は、ほとんどの新車が搭載しているAEB (Automatic Emergency Breaking)は、どのクルマでも同じように機能すると思っています。しかしそうではありません。システムに搭載されるセンサーの範囲、計算能力、ソフトウェアの質は、劇的に変化する可能性があります。Teslaのアクティブセーフティ機能は、8台のカメラ、ニューラルネット・コンピューター、そして200万台を超えるTeslaの車から得た学習によって支えられているのです。
Teslaビジョン(レーダーを排除した視覚専用システム)の導入後、IIHSによる当社のアクティブセーフティ評価は向上しました。Teslaビジョンの歩行者AEBの性能は、ビジョン+レーダーの性能よりも45%以上優れていました。Tesla・Model 3ユーロNCAPが達成したアクティブ・セーフティ・スコアが異常値であることは、驚くことではありません。

 

Tesla車は安全性を重視して設計されておりAPが作動すると安全性が高まる

2021年、ドライバーがAP(オートパイロット)技術(オートスティアとアクティブセーフティ機能)を使用していた場合、走行距離100万マイルにつき0.22件の衝突を記録しました。オートパイロット技術を使用していなかったドライバーの場合(無 オートパイロット技術を使用していないドライバー(オートスティーアとアクティブセーフティ機能なし)の場合、走行距離100万マイルごとに0.77件の衝突を記録しました。比較すると NHTSAの最新データによると、米国では100万マイル走行するごとに1.81件の自動車事故が発生しています。

 

Teslaは200万台以上の車両から得られた実データを使用することで、業界標準のテストを超えるよう努力しています。これまでメーカーは一連の規制および消費者テストにおいて優れた性能を発揮するように車両を設計することを目標としてきました。しかし、一般的な衝撃シナリオ(上のヒートマップ参照)には、規制対象の衝突試験でカバーできないものがあまりにも多く存在します。私たちが収集している豊富なデータにより、規制や格付けでカバーされているシナリオだけでなく、すべてのシナリオにおける安全性を開発することが可能になります。


車両から学習したアルゴリズムが最適な安全対応を誘発

私たちは車両から得られたデータを解析して解決策を見つけ、無線でソフトウェアを更新しています。当社のアルゴリズムは車両センサーのデータをもとに、衝突から数十ミリ秒以内にどのような衝撃が発生したかを判断し、シートベルトプリテンショナーやエアバッグを作動させ、ミリメートル単位、時速1マイル単位で最適な対応を行います。またTeslaのエンジニアは、衝突が迫っているときにオートパイロットを使って識別するシステムの評価も最終段階に入っています。これによりTesla車は衝突の可能性を予測し、衝撃が発生したときに素早く対応する不思議な能力を手に入れることができます。

 

安全なクルマづくりのためにクルマの設計方法を変える

Teslaはフィールドデータ、データ分析、シミュレーションを設計および安全エンジニアの将来の製品開発へのフィードバックや、無線アップデートによる既存の車両へのソフトウェア改良に活用しています。Teslaはまた当社の車両が収集したデータと統計情報を匿名化された形で、あるいは同意を得て、現地のデータプライバシー法に従い特定の規制機関や外部の研究機関と共有しています。このようなデータへのアクセスにより、衝撃安全性研究が加速され業界全体が変化し、すべての自動車の安全性が改善されるでしょう。人命を守るためです。

 

クラッシュ後のデータ分析

新しいソフトウェアをフリートへ送った後、実世界に配備されたシステムの有効性を理解するために、新しいデータがもたらされるのを待ちます。私たちの"offzone"サイドアルゴリズム(データ駆動型安全性)の展開以来、エアバッグが展開された車両全体のうち15%がこれらの新しいモードでの新しいアルゴリズムによって展開されたことが分かりました。これは私たちの期待を裏打ちするものであり、フリートベースの学習と新しいソリューションの迅速な展開がいかに効果的であるかを示しています。

 

エアバッグが作動しないことがある理由

上図のような「スモールオーバーラップ」衝突では、フロントセンサーは正面衝突を検知するように設計されているため、側面衝突を検知することはまずありません。また、サイドセンサーは通常運転席の窓に近すぎるため、はるか前方の衝突を検知することはできません。そこで私たちはセンサーとその配置を工夫しました。そしてほぼすべての衝突を検知し、必要に応じてエアバッグを作動させることができるようにセンサーとその位置を設計しました。

 

 

安全はクリーンシート設計から

乗員の安全性を向上させることは、常に私たちの使命の一つです。私たちのクルマはすべて安全性を第一に考えて作られています。低重心化(電池の配置)、前面衝突安全性の向上(前方エンジン車ではエンジンがないフロントトランク)など、前面衝突時の安全性を高めるため、前方にエンジンのないフロントトランクを設けています。

 

性能強化のメリットも追加

Model SとModel Xの先進的なアーキテクチャをベースに、私たちはModel 3とModel Yをこれまで作られた車の中で最も安全な車のひとつとなるよう、どこまでもエンジニアリングしています。Model 3とModel Yにはエンジンがありませんが、バッテリーパックを中央に配置し、リアモーターをリアアクスルの後ろではなく少し前に配置しているため、その性能は「ミッドエンジン内燃機関車」に近いものとなっています。このアーキテクチャは、車全体の俊敏性とハンドリングを向上させるだけでなく、回転運動エネルギーを最小限に抑えることで安定制御の効果を向上させることができます。

 

Model 3およびModel Yは、US NCAPの全項目で5つ星を獲得

Model 3とModel Yは新車アセスメントプログラムの一環として、前面衝突、側面衝突、横転衝突の重傷の可能性を算出する一連の衝突試験を実施した結果、米国道路交通安全局(NHTSA)から、すべてのカテゴリーとサブカテゴリーで最高の安全評価である5つ星を獲得しました。

 

Teslaは自動車の安全性を時間をかけて向上させる最先端の方法を開拓してきました

Teslaの所有権の特徴はコネクティビティです。私たちは業界をリードして、OTA(Over-the-Air)ソフトウェア・アップデートを車両に展開しています。これらのアップデートは、お客様の安全性の向上やリコールの改善など、お客様のエクスペリエンスに不可欠であり継続的に向上させるものです。OTAアップデートは、Teslaサービスセンターに行かなくても、お客様のご都合に合わせてインストールすることができます。

 

 

Tesla車の火災事故は米国の平均的な車両と比較して〜11倍も低い

メディアが車両火災について報道する場合、大抵はEVの火災について報道しています。これはICE車と比較してEV関連の火災が多いためではなく、クリック数を追った結果だと思われます。現実はそうです。Tesla車と比較すると、ICE車は圧倒的に高い確率で火災が発生しています。最新のデータでは 2020年には、米国だけで約17万3,000件の車両火災が発生しています。

2012年から2021年にかけてTesla車の火災は走行距離10億マイルにつき約5件発生しています。これに対し全米防火協会(NFPA)と米国運輸省のデータによると、米国では走行距離10億マイルにつき車両火災が53件発生しています。
NFPAのデータとの比較を適切に行うためTeslaのデータセットには、構造物火災、放火、その他車両とは無関係な理由による車両火災の事例も含まれており、この期間のTeslaの車両火災の一部を占めます。

 

私たちは安全性を向上させ続けています

バッテリーケミストリー、セル構造、バッテリーパック構造、車両のパッシブセーフティを継続的に改善し、火災リスクを限りなくゼロに近づけるために、改善を続けています。Teslaの車両技術が向上し続ければ、TeslaのEVで火災が発生する可能性はさらに低くなります。Teslaは欧州およびオーストラリアのNCAPと提携し、Teslaの車両に素早くアクセスできるモバイルアプリベースの緊急対応ドキュメントを無償で提供しています。Tesla車固有のモデルに素早くアクセスできるよう、モバイルアプリベースの緊急対応ドキュメントを無料で提供しています。Teslaは詳細な情報を提供し 緊急事態に安全に対処できるよう、詳細な情報を提供します。

 

はい、ということでいかがでしょうか。

技術的な用語やデータがいくつか出てきたので少し難しい部分があったかもしれませんが、安全に対する取り組みについて概要は理解できたのではないかと思います。

オートパイロット技術は咄嗟の判断ができないとか、EVはバッテリー火災がよくメディアでよく取り上げらており、安全性に不安を抱かせるイメージが先行しがちです。ただTeslaのImpact Reportに記載の主張は真逆でエビデンスを提示しつつ否定してますね。

また全世界に走ってるTesla車から蓄積した運転データを活用し、安全運転行動をスコア化、リアルタイムにフィードバックすることで月々の保険料の引き下げるプログラムを提供してる点、これなんて垂直統合を押し進めるTeslaだから成せる業です。他にこんなことできるOEM、過去と未来含めて存在しますでしょうか?

同業で仕事をする者として、末恐ろしさしか感じません。。

 

参考:Tesla保険に関する記事はこちら

www.kevin-j-stock.com

 

 

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